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『勝ち馬がわかる 血統の教科書2.0』を読んだ感想

勝ち馬がわかる 血統の教科書2.0

少し久々に競馬本のご紹介。

今回は『血統の教科書2.0』を読みました。

おなじみ、亀谷さんの新刊です。

2.0というからには当然前作があるのですが、5年が経ったので装いも新たに新刊…というわけです。

これは大事なことですが、人間の5年と血統の世界の5年は全く異なります。馬の世界の移り変わりは速い。例えば今週末のオークスでおそらく断然人気が予想されるリバティアイランドのお父さんはドゥラメンテですが、ドゥラメンテは8年前のダービー馬。8年前のダービー馬が既にお父さんになっている…だけでなく既にG1戦線での活躍馬を続々と輩出しているわけです。昨年のオークス馬もドゥラメンテ産駒のスターズオンアース、一昨年の菊花賞馬もドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーです。

※余談ですがドゥラメンテは既に亡くなっています。悲しい意味でも早いのです。

そんなわけで2.0。

血統というとどうしてもアレルギーがある方もいますが、個人的には血統大好き。予想にも活用していますし、何より競馬を考える上で、楽しむ上で欠かせない要素だと思います。

本書は一見難解に思える血統の世界のお話を、亀谷さんの言語力とキャッチーさで体系化し、誰にでもわかりやすい形で伝えています。

ココからは個人の感想というか、独断と偏見になりますが、高校2年のとき、2000年に亀谷さんを知って以来の長年のファンである私からすると、亀谷さんの凄さは端的に2点あると思います。

※偉そうに評論してスミマセン。あくまでも一人の読者、ファンとしての思いです。

1点目。

キャッチーであること。現象や傾向をわかりやすく表現して大衆化することにおいては右に出る者はいないのでは。たぶんコピーライターになっても成功したんじゃないかなと思います。

例えば、欧州系とか、米国系、とか今や誰でも使いますが、亀谷さんが使い始めた概念ですからね。バイアス…っていう言葉も今や競馬予想では当たり前に使われるようになりましたが、たぶん日本競馬において使い始めたのは亀谷さんが最初ではないでしょうか。

2点目。

それは、常に進化していること。

競馬予想ってどうしても同じことを繰り返しがちなんです。10年前や20年前にちょっと話題になった理論を延々と使い続ける(もちろんそれが悪いわけではなく、逆に陳腐化しない素晴らしいものともいえますが)ことが少なくない中、亀谷さんは常に新しいものを追い求めている。

サンデーサイレンス系をいち早く分類したのも亀谷さんですし、AIにも既に取り組んでいて、今回はミニコラムでも一部触れられています。

亀谷さんの著書はたくさんありますが、もっともトレンドを理解できて、かつ、亀谷さんの脳内を覗き込める…という意味では本書がふさわしいと思います。

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個人的には本書血統の教科書2.0と、あとは田端到・加藤栄の種牡馬事典を揃えておくと、血統についてはの大まかな理解は深まるのではないかなと思います。種牡馬辞典はキンドル版を持っています。

私は血統に関しては、ダビスタで興味を持ち、柏木集保さんを通じて奥深さに触れ、田端到さんの卓越した文章力で更に深い世界を知り、亀谷さんによって馬券に生かせるようになりました。

ただのデータ本ではなく、より深く血統を、ひいては今の競馬のトレンドを知りたい方にはオススメできる一冊です。

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